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あなたはビルゲイツの試験に受かるか?
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その46 問題の理解とスピード回答
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 ロシアンルーレットの確率の問題に続いて、今号の設問はどうでしょうか。


問題 設問46 2人の子供を持つ母親がいる。そのうち1人は女の子であるとき、もう1人の子も女の子である確率はどれだけか?


女の子

 ビル・ゲイツの設問には、論理思考に関連して確率をベースにした応用問題が多々出されますが、今号の設問に対する皆さんの反応はどうでしたか?
 次に生まれた子が男か女かなど、直感からくるその確率は当然1/2の50%に決っていることなのに、「どうしてこんな設問を?」という疑問を持った方も、中には少なからずおられたかもしれません。

 それも無理のないことで、たしかに普段の生活の中で、もしも何気なくこの設問のような内容で質問されたら、同様に感じる方もかなり多く見られるのではないかと思います。
 落ち着いて冷静にいられるときでも、このような反応があるであろうと予想されるということは、ましてや面接試験のように制限時間が設けられ、緊張している場所で確率の値そのものを問う問題が出されれば、とっさに同じように思う受験者も多くいるのではないかと思われます。したがって、これはそのような疑問を持つ人のための設問と言ってもいいかもしれません。

 しかし同じ内容の質問を受けるにしても、普段の生活の中で聞く場合と面接の会場で聞く場合とでは違う反応になるはずで、面接の場においては瞬時にして本質的なことに入っていくものと考えられます。
 というのも、もしも受験者なら、「そんなわかりきった問題を改めて面接試験で出すわけがない、何かあるはずだ」と、すぐに頭の切り替えができる立場にあるからです。
 もちろん最初から問題を正しく理解する皆さんも多いと思いますが、実はこのような書き出しにしたのは、こうした疑問が出てくる背景を見ていくことで、正解への一番わかり易い説明ができると思われたからです。

男の子 女の子

 さて、確率の基本は、起こり得るすべてのケースの中で該当するケースの割合はどれだけかを数字で表わすもの、と前回も説明しましたが、確率の問題の中には、その該当するケースが独立して起こる事象を問題にしているものや、或ることに従属して起こる事象を訊いているものなど、いろいろあるということです。

トランプ
ハートのエースとクラブのエース

 この独立と従属という2つの意味をわかり易い例で説明しますと、例えばトランプの52枚あるカードから無作為にハートのエースを引く確率は、前者の独立して起こる事象であり、それは1/52%です。これに対して、このハートのエースを引いたあと、さらに続いてクラブのエースを引く確率は?という問題になると、2枚目は1枚目に続いて起こる事象を訊いていることになり、従属の問題となるわけです。
 この2枚目が単独で起こる確率は1/51%でしかありませんが、1枚目に続いてこの事象が起こる確率は1/52% x 1/51%と大きく違ってくるわけです。

 では、当設問の解説に移ります。
 この問題の中身をよく読みその真の意味を理解しないと、どうしても「次に生まれた子が男か女か」という問いとしか受け止めないことになるのです。しかし注意深く読めば、この独立・従属をきちっと見極めて正解へと進むことができるわけです。
 つまり、当設問で「もう1人の子も女の子である確率はどれだけか?」の部分を「もう1人の子が女の子である確率はどれだけか?」という具合に、「も」を「が」にして単独形として受け止めてしまうと、前文の1人が女の子であることとはまったく無関係に、単に「もう1人の子」というそのこと自体が起こる独立した事象として解釈してしまいがちになるということです。

2人の子ども(第一子と第二子)の考えられる組合せ

 この設問が、兄弟姉妹という従属現象が起こっている組合せという形で訊いている確率問題だということがわかれば、あとは簡単だと思います。
 2人の子供を持つ組合せは、図のような4つで、その内、わかっている1人が女の子であるということは、残るは(男−女)(女−男)(女−女)の3つの組合せのどれかでしかありません。この3つの中で、もう1人も女の子である(女−女)は1組しかなく、したがってその確率は1/3ということになるわけです。

 当設問の背景は、もちろん確率という問題がベースにあるわけですが、いかに注意深く問題を理解するかということと共に、回答までのスピードも見ているということです。
 このスピードということ考慮に入れれば、見方や考え方によっては難しくもあり、またポイントがわかってしまえば易しくもある問題として、一般に広く使われてもいい格好の面接試験用パズル問題
ではないでしょうか。

 では解答です。


正解 正解46 2人の子供を持つ組合せは、(男−男)(男−女)(女−男)(女−女)の4つで、その内、わかっている1人が女の子であるということは(男−女)(女−男)(女−女)の3つ。この中で、もう1人も女の子である(女−女)は1つ。したがって、その確率は1/3。


 では、前述のトランプカード52枚に関する確率問題として、地頭力を試す次の設問を考えてみてください。


問題 設問47 ジョーカーを抜いたトランプ52枚の中から、無作為に順次5枚のカードを抜 き取るものとする。この抜き取ったカードの中に、ハートの「エース」かクラブの「エース」があれば賞金がもらえる。賞金を獲得できる確率はいくらか。


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 ビル・ゲイツの出題問題に関しては、HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI ? (Microsoft’s cult of the puzzle. How the world’s smartest companies select the most creative thinkers. )By William Poundstore の原書や、筆者の海外における友人たちの情報を参考にしています。
 また連絡先不明などにより、直接ご連絡の取れなかった一部メディア媒体からの引用画像につきましては、当欄上をお借りしてお許しをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

執筆者紹介


執筆者 梶谷通稔
(かじたに みちとし)

テレビ出演と取材(NHKクローズアップ現代、フジテレビ、テレビ朝日、スカパー)

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